スターシップ・トゥルーパーズ

きやさんのブログに紹介があった『スターシップ・トゥルーパーズ』。
僕も好きな映画作品なので紹介したいと思います。
原作はSF界の大巨匠ロバート・A・ハイラインの『宇宙の戦士』
(原作に登場するパワードスーツはガンダムモビルスーツのもとネタになったようです)。
1997年のアメリカ映画です。もう10年以上前の映画なのですね。
監督はロボコップトータル・リコールインビジブル等のポール・バーホーベン
この監督の映画を大真面目に見る人はいないでしょう。
どちらかと言うと「おバカ映画」を撮る人として有名なのではないでしょうか。
「おバカ映画」といっても決して絶対に悪い意味ではありません
(いい言葉が思いつかないだけです)。
少々子供っぽい内容ですが、それらは「マジ」で作られているのです。
マジでなければダメなのです。
そしてポール・バーホーベンは「おバカ映画」を撮る監督の中でももっとも
ハイセンスな監督の一人だと思います。
他には、『ナイト・オブ・ザ・リビングデット』のジョージ・A・ロメロや『ヘア・スプレー』のジョン・ウォーターズ、『ニューヨーク1997』のジョン・カーペンターなどの重鎮がいます。

さて『スターシップ・トゥルーパーズ』は、
地球連邦軍が巨大昆虫的な宇宙の生物と戦争する映画です!!

・・・・・・。

ここですでに引いてしまう人も多いことでしょう。
僕だって同じです。特にSFがものすごく好きと言うわけではないので、
ハイライン原作の映画といわれてもあまりピンときませんし、世代も違います。
しかしポール・バーホーベンが撮ったとなれば話は別なのです。
巨大昆虫との残虐な戦闘シーンや、地球軍の軍国主義的な描写や
マッチョイズムが手加減無しに繰り広げられる。
人間のある種の過剰さが描かれている映画なのですが、そこにはさらに監督自身の過剰さがプラスされているとしか思えないところが好きです。
その過剰さは嫌な感じを起こさせず(実際は嫌な感じするのですが)突き抜けているのです。
妙な勢いとスピード感があり、何か愛おしく感じられるのです。説得力すら感じます。
それは作家性といえるものだと思います。
はっきり言って悪趣味な映像と好戦的な描写のオンパレードで、それを監督本人は軍国主義に対するアイロニーだと語っているのですが、それにしてはあまりにも生き生きと描かれているので、本当にそうなのか疑問に思います。そこは突っ込んではいけないところなのかもしれません。

監督の過剰な何かに呆然、あるいは嫌悪感すれすれなのに、その勢いに圧倒されて、意図せずして愛すべき映像に見えてきてしまうような映画が好きです。