オタク

1.「オタク」という言葉は中森明夫氏による1983年の『「おたく」の研究』というコラムによって広く一般化したようです。この方はアイドル評論家としてとても有名なひとですね。なぜオタクはオタクと呼ばれるようになったのか。
彼らが、二人称として「君は〜」や「あなたの〜」という代わりに「おたくは〜」「おたくの〜」と言っていたところから、オタクという言葉が生まれたようです。なんだか主婦のようですね。「○○さんのお宅は〜らしいですわよ、お宅はどうですの?」みたいな。
今はそんな風に呼び合うオタクはいるのでしょうか?
オタクも主婦も、おもに家(宅)の中にいることが多かったから、自然に「オタク」と呼び合うようになったのでしょうか。
さて、オタクには第1世代〜第4世代という世代区分があるようだ。
第1世代は1960年代生まれ前後のオタクたち、以降だいたい10年おきの世代間があるようです。
ちなみに自分は第2世代の後期ということになりそうです。
80年代の少年期にファミコンの発売や少年ジャンプ(キャッツアイ、キャプ翼、セイント星矢、北斗の拳ドクタースランプきまぐれオレンジロードドラゴンボール・・・)の黄金期があった世代ですね。
「AKB48」の秋元康が「おニャン子クラブ」をプロデュースしたりしました。ポストモダンという言葉がもてはやされ、消費文化が加速しバブル経済に突入したり・・・
閑話休題
オタクの第1世代はもっぱらSF(サイエンス・フィクション)ファンが担っていたようですね。1963年に手塚治虫によって初の日本制テレビアニメの鉄腕アトムが制作され、つづいて鉄人28号、エイトマンなどが放映されました。
70年代に入るとSF、ロボットものアニメが子供達を中心にブームとなりました。当然それらはもともとが子供向けに作られたものでしたが、そんななか緊密な設定とリアルなメカ描写、シビアなストーリーで構成された「宇宙戦艦ヤマト」はもっと上の世代に一大ブームを巻き起こす(そしてその流れは79年の『ガンダム』誕生にいたるのでした。)
『ヤマト』に敏感に反応した人たちが今につながるオタクの典型なのではないかと思えます。それは基本的に子供向けに作られていたアニメに対して子供としてではなく、青年あるいは大人として真剣に愛好する態度。
そして75年にはコミックマーケットが開催されている。
オタクが愛好する対象はSF、コンピューター、鉄道、アイドル、プロレス、映画など色々あると思えるが、やはりマンガとアニメが重要で大きな位置を占めているのは確かだろう。
日本のマンガとアニメは、アニメ絵(萌え絵)といわれる美少女の絵柄や、少ないセル画で細かな表現を可能にする洗練されたリミテッドアニメの手法というような非常に独特な発展を見せたのだった。